ナノ加工 技術コラム
ナノ加工 技術コラム
2024.07.29
表面粗さRa2nmの鏡面加工を実現する 超精密切削加工
超精密微細加工.comを運用するジュラロン工業株式会社では、長年積み上げてきた豊富な超精密加工のノウハウ、最先端の機械と技術を用いることで、高度な形状精度を持つ鏡面加工を実現することができます。当記事では、鏡面加工が求められる部品、当社の鏡面加工を行う際の取組とポイントについてご紹介します。
鏡面加工が求められる部品
鏡面加工とは、金属やガラスなどの素材の表面を鏡のように滑らかに仕上げる加工技術を指します。
この加工方法は主に、光学用レンズ、ミラーやプリズムなど様々な光学部品を製作するために使われます。これらの光学部品は、カメラやレーザー装置、光通信機器などに用いられ、平滑で光を正確に反射、拡散、収束させる役割を果たします。
なぜ鏡面加工が求められるのか?
では、なぜこれらの光学部品には、鏡面加工が求められるのでしょうか。上述の通り、レンズやミラーなどの光学部品は、滑らかな表面により光を設計通りに屈折、反射させる役割を果たします。
そのため、レンズやミラー表面に微小なキズや凹凸があると、それが原因で光が散乱し、屈折光や反射光に乱れが生じます。このような理由から、鏡面加工が必要とされているのです。
>>光学用ミラーの反射率を高めるために抑えておくべきポイント
鏡面加工を実現するための当社の取組・ポイント
次に、当社が鏡面加工を実施する際のポイントについてご説明いたします。
鏡面加工の方法は、実際に加工する素材によって異なります。今回は、プラスチックと金属に鏡面加工を施す際の当社のポイントをご紹介いたします。
1.手磨きなしの磨きレス加工で鏡面を実現
光学的な検証を行う際、レンズなどの部品は表面粗さに加え、非常に高い形状精度が必要になります。一般的な切削加工は、レンズの品質を確保するために、切削加工後に研磨加工を行います。そのため、表面粗さは向上しますが、形状精度が乱れてしまい、結果的にレンズの品質が低下してしまうことがあります。
しかし、当社は切削加工のみで研磨加工が必要ないほど高い形状精度を達成することができます。そして、従来の鏡面加工に必要な「磨く工程」が必要ないため、工程削減とコスト削減に繋がります。
2.リンニッケルメッキ、ダイヤモンドバイトを用いることで
安定した超精密切削加工が可能
切削による鏡面加工を可能にするための超精密加工を金属に施す場合は、刃先が非常に鋭利でナノレベルの加工ができるダイヤモンドバイトが必須です。しかし、天然素材の中で最も硬いダイヤモンドを使用したダイヤモンドバイトの切削加工でも、全ての素材を超精密加工できるというわけではありません。
そこで当社は、高い表面粗さと形状精度を達成するために無電解ニッケルメッキを金属加工部品の表面に施すことで、化学的に均一な被膜を形成します。無電解ニッケルめっきは、電流を使用せずに化学反応を利用してワークの表面に均一な厚さのめっきを施すことが可能です。そのため複雑な形状のワークに均一にめっきを施し、超精密切削加工を行うことで高い形状精度を持った鏡面加工が可能です。
さらに無電解ニッケルめっきは優れた耐腐食性を持ち、様々な化学環境下での使用が可能で、非常に表面が滑らかなので超精密加工に適した素材なので、超精密切削加工による鏡面加工を可能としています。
>>なぜ超精密加工品には無電解ニッケルめっきが施されるのか?
当社の鏡面加工事例をご紹介!
切削プリズム
こちらの切削プリズムは、樹脂(アクリル/ポリカーボネート/COC/COP)を形状精度1μmで加工したものです。ウェアラブルグラスの部品やセンサー等の部品として使用されます。特徴としては手磨きなどでは得られない平面度(形状精度1µm以内)にあります。
トリックアルミミラー
こちらのトーリックアルミミラーは、純アルミA1070を加工したものです。この製品は、3軸同期加工により加工時間の短縮をしていることが特徴として挙げられます。マシニング系の5軸で加工した場合、同等の鏡面を得るには350時間かかりますが、3軸同期により9時間で加工することが可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は高度な形状精度を持つ鏡面加工を可能にするポイントをご紹介しました。
超精密・微細切削加工.comを運営していますジュラロン工業では、高い形状精度を持つアルミミラーの鏡面加工を、3軸同期加工により時間短縮のご提案をした実績もございます。
「レンズ、金型の鏡面加工をしてほしい」という方はお気軽にご相談ください!
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