ナノ加工 技術コラム

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2022.03.17

アルミと銅に0.001mm単位の超精密加工を施すためは?

軽量性、導電性、耐食性、反射性など、様々な優れた性質を持つアルミニウム。この優れた性質から、0.001mm単位の精度が求められる超精密加工部品に使用されることが多々あります。同様に銅に関してもミラー形状を実現するために超精密加工部品に使用されることがありますが、全てのアルミと銅に超精密加工が可能という訳ではありません。

今回は設計者・開発者の方々のために、超精密加工が可能なアルミと銅について、説明します。

 

大きく7つに分類されるアルミ

先ほど紹介した通り、軽量性、導電性、耐食性、反射性など、様々な優れた性質を持つアルミですが、含まれる金属元素の種類によって、計7つに分類されます。1000番系、2000番系というような分類がされ、当然それぞれ異なる特性を持ちます。例えば1000番系であれば、純度が99.0%以上のアルミであり、熱伝導性、耐食性、加工性等に優れているが、強度が低いといった特性を持ちます。また、5000番系であれば、マグネシウム(Mg)を含んだアルミ合金であり、耐食性、溶接性、加工性のみならず、強度も兼ね備えております。

このようにアルミは「~000番系」というように分類されますが、これを更に分類すると、「A1100」のように4桁の数字で表されます。

 

超精密加工に適した3種類のアルミ

前章で説明した通り、大きく7種類 に分類されるアルミですが、全てに超精密加工を施すことが可能という訳ではありません。

結論からお伝えすると、1000番系、5000番系、6000番系の3種類が適しております。

では、なぜこの3種類に限られるのでしょうか?

 

1000番系

まず始めに、1000番系に超精密加工が可能な理由としては、硬度が低いためです。ですので1000番系は材質的には超精密加工に最適であると言えますが、「硬度=強度」であるため、繊細な取り扱いが必要となります。

 

5000番系

次に5000番系に超精密加工が可能な理由としては、優れた加工性を持つためです。加えて、高い強度も持ち合わせているため、総合的に考えると精密加工におすすめするアルミとなります。

 

6000番系

6000番系に関しては、5000番系と同様に加工性に優れているため、超精密加工が可能です。5000番系よりも高い強度、または耐食性が求められる際に使用されることがあります。

 

アルミに超精密加工をする上での3つの注意点

では、アルミに超精密加工を施すためには、どのような点に注意と対策が必要とされるのでしょうか?

 

SiO2の保護膜による酸化の防止

第1に上げられる注意点としては、酸化がしやすいということです。これを防止するために、SiO2の保護膜を施すことをおすすめします。 アルミは酸素との化学親和性が高く、空気に触れるだけで表面に薄い酸化被膜が形成されます。

この酸化皮膜光学特性反射特性なわせてしまいますので、ミラとして使用する場合にはSiO2の蒸着すことにより、酸化防止することができます。

 

増反射膜の蒸着

次にあげられる注意点としては、アルミの反射率には限界があるということです。

入射角や波長によって異なるため一概には言えませんが、アルミの場合の可視光線領域での反射率は92%程度です。それ以上の反射率が必要な場合は、増反射膜の蒸着をすることで反射率を上げることが可能です。

 

ダイヤモンドバイトの使用

最後にあげられる注意点は、刃先がシャープエッジでない一般的な工具を使用すると超精密加工を実現できないということです。

そのため、超精密加工において刃先を鋭利に仕上げることができる材質、すなわちダイヤモンドを使用する必要があります超精密加工の前提であるダイヤモンドを使用した工具を用いた加工方法については、下記の記事で詳しく解説しております。

【関連記事】なぜダイヤモンドでは鉄が削れないのか?

 

超精密加工が可能な銅の2つの条件

ここまで、アルミの超精密加工について述べましたが、

銅に超精密加工を施す際には、どのような条件が必要なのでしょうか?

もアルミと同様に硬度が低く、鏡面が出しやすい超精密加工に適した材質であると言えます。しかし、超精密加工を施す際に必要であるダイヤモンドバイトを使用する上で、銅に不純物が混じっていると、ダイヤモンドバイトが刃こぼれしてしまいます。そのため、使用する銅は「無酸素銅」かつ「純度が高い」という2つの条件を持ち合わせているものが適しております

加えて、このような銅を取り扱う際には、真空パックに封入するなどして、腐食を防ぐ必要があります。

 

さいごに

ここまで超精密加工が可能なアルミと銅について説明して参りました。

ミラーとして使用するために、超精密加工が施されることが多いアルミと銅ですが、超精密加工が可能なアルミは1000番系、5000番系、6000番系の3種類、銅は無酸素銅かつ純度が高いものが適しております。

超精密 微細加工.comを運営するジュラロン工業では、アルミと銅の超精密加工において、面粗度Ra2nmを実現することが可能であり、無酸素銅を使用する際には純度99.998%のものを使用しております。

最新の各種ナノ加工機に加えて、高度なナノ加工技術と加工プログラム技術で、ナノオーダーの超精密加工のご要望にお応えすることが可能ですので、是非お気軽にご相談ください。

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