ナノ加工 技術コラム

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2021.11.15

超精密・微細加工におけるコーナーRの考え方と、コストへの影響度

1.超精密・微細加工でのコーナーR

一般的な機械加工やマシニング加工ではコーナーRを大きくつけるとコストダウンになるといわれていますが、一般的な機械加工でコーナーRを小さくには限界があり、R0.1以下であればエッジと見なされ許容される場合が多いようです。
しかし超精密・超微細加工の世界では、一般の加工で小さいといわれているコーナーR0.1であっても許容されない場合が多々あります。

そのため、超精密・超微細加工おいては一般的な機械加工やマシニング加工と比較しコーナーRに関して厳しく高い精度が求められます。

ただ、R0.01以下まで追い込んで加工をしてしまうとコストが高くついてしまいます。

また、超精密・微細加工ではコーナーRの設定の微妙な調整がコストや時間を大きく左右します。

 

2.そもそもコーナーRとは

コーナーRとは、機械加工などで内側に隅があるときについてしまうR形状のことです。

例えば、中央の四角い穴を機械加工で加工することは難しく、通常は隅が丸くなります。これは一定の半径をもったエンドミルなどの工具を回転させて加工するためです。

切削加工においては、エンドミルの直径が大きければ大きいほど短時間で加工が可能となりますが、その分荒削りになってしまいコーナーRが大きくなってしまいます。

それでは、エンドミルの直径を極限まで小さくした場合はどうなるのでしょうか?

世の中には直径0.01というエンドミルが存在することも事実ですが、そのようなエンドミルを用いて全域を仕上げるためには切込、送りを非常に小さくしなければならず、途方もない時間がかかり、コストも合わないので、現実的ではありません。

もし上左図のような四角の穴を作成したい場合は、上左図のように3部品に分割して作る必要があります。

この考え方は機械加工だけでなく、超微細・超精密加工においても同じです。

しかしながら、超微細・超精密加工では構造体の1辺が0.1mm以下であることが多く、右上の図のように分解及び組み立てをすることはできません。

したがって、超精密・微細加工ではいかに理想の設計に近づけてコーナーRと加工コストのバランスを考えるかが重要になってきます。

3.コーナーRがついてしまう具体例

超精密・微細加工.comへお客様からご依頼いただく中で、どうしてもコーナーRがついてしまう具体例として凹レンズと凸レンズが挙げられます。

こちらの凹レンズ・凸レンズを例としてコーナーRと加工コストのバランスについてご説明させて頂きます。

凸レンズや凹レンズを製作する方法としては、①金型を製作し成形をする。②直接切削にて加工する。という2つのパターンがあります。
また、凸レンズと凹レンズどちらを製作するかによって、コーナーRの有無が関わってきます。

今回は、

3-1.凸レンズを金型を使用し製作する場合
3-2.凸レンズを直接切削する場合
3-3.凹レンズを金型を使用し製作する場合
3-4.凹レンズを直接切削する場合

上記の4つに分けご説明いたします。

3-1.凸レンズを金型を使用し製作する場合

凸レンズを金型を使用し製作する場合、その金型は凹形状となります。凹形状の金型を製作する場合平面に対して凹を付けるだけですので当社の加工技術であればコーナーRは付きません。

3-2.凸レンズを直接切削する場合
凸レンズを直接切削する場合は、レンズと平面、あるいはレンズとレンズの繋ぎ目に必ずコーナーRがついてしまいます。

3-3.凹レンズを金型を使用し製作する場合
凹レンズを金型を使用し製作する場合、金型は凸形状になります。凸形状の金型を製作する場合、レンズ面と平面部のつなぎ目にRが付いてしまいます。

3-4.凹レンズを直接切削する場合
凹レンズを直接切削する場合は、Rがでることなく製作が可能になります。

レンズの加工を行う場合は、単結晶のダイヤモンドボールエンドミルを使用する必要があります。現在製作可能な単結晶ダイヤモンドボールエンドミルの最小RはR0.01と言われており、こちらを使用すれば繋ぎ目の部分にR0.01だけつくだけで済みますが、小さい径のボールエンドで加工する場合はその分加工の工数が増え、非常に高価なものになってしまいます。

仕様にもよりますが、コーナーR0.05程度であれば加工工数やコストを抑えて対応できることが多いです。

しかし、R0.01ほどの加工となるとR0.05加工の2倍以上時間がかかってしまうため、時間やコストを考慮するのであれば可能な限りRを大きくする必要があります。

弊社ではご依頼を受けた場合、レンズ有効径や形状精度・光学特性などのスペック、外観などを加味して、コーナーRをお客様と相談させていただき、仕様を決定するようにしております。

4.さいごに

ここまで精密加工におけるコーナーR、凹レンズと凸レンズの具体例について説明して参りました。

超精密 微細加工.comを運営するジュラロン工業では、最新の各種ナノ加工機に加えて、高度なナノ加工技術と加工プログラム技術で、ナノオーダーの超精密加工のご要望にお応えすることが可能です。また、今回のコーナーRのように時間やコストがかかってしまうような超精密微細加工については、時間削減・コストダウンのためにVA/VE提案をさせて頂いております。

是非お気軽にご相談ください。

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