ナノ加工 技術コラム

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2025.04.14

超精密加工に用いられる主な樹脂材料の特性と比較

超精密切削加工などの非常に精度の高い加工に用いられる樹脂材料は限られています。超精密切削加工のノウハウと実績があるジュラロン工業株式会社では、アクリル・PC・COC・COPなど様々な樹脂材料の加工実績がございます。

そこで本記事では、超精密加工に用いられる主な樹脂材料についてご紹介します。

アクリル(PMMA)

アクリルは、優れた透明性を誇る素材です。光線透過率はガラスを超える約91%と言われております。その上、複屈折が小さく、光学的に優れた素材であるといえます。また、硬度が高く切削性にも優れています。その一方で、耐熱性に劣り、吸湿性も高いといったデメリットもあります。

PC(ポリカーボネート)

PCは、優れた耐熱性、耐衝撃性を持つ樹脂素材です。その反面、複屈折が大きく、光学的な機能面を考慮すると使用方法に制限があります。また、硬度が低く、靭性が高いため切削性に劣るという特徴があります。

COC・COP

COC・COPは光学用途のために開発された樹脂材料です。上記の双方の欠点を改善した樹脂材料です。

・アクリルの欠点:耐熱性、吸湿性に劣る

・PCの欠点:複屈折が大きい

つまり、COC・COPは、耐熱性、吸湿性に優れている上、複屈折が小さく、光学的特性に優れている樹脂材料なのです。これらの特性から、幅広い光学部品に用いられています。

ちなみに、各材料の特性を簡単に比較すると下記の通りとなります。
(※標準的なグレードの簡単な比較です。あくまで参考として活用ください。)

※標準的なグレードでの比較です。

超精密加工事例のご紹介

カメラ用非球面レンズ

こちらの非球面レンズは、シクロオレフィンポリマー(COP樹脂)を使用し、直径5mm・形状精度0.5μmで高精度に加工した製品です。スマートフォン用カメラに使用されるレンズであり、光軸の傾きや非球面同士の軸ズレを極めて小さく抑えている点が特長です。カメラモジュールでは複数のレンズを高精度で組み合わせる必要があり、本製品ではジョイント部を同軸で加工することで、組立時の高い精度を実現しています。

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切削プリズム

こちらの切削プリズムは、アクリル・ポリカーボネート・COC・COPといった樹脂素材を、形状精度1μmという高精度で加工した製品です。ウェアラブルグラスの部品や各種センサー部品として使用されており、手磨きでは実現が難しい、形状精度1μm以内の優れた平面度が特長です。

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樹脂素材の超精密加工は超精密微細加工.comにお任せください。

いかがでしたでしょうか。今回はCOC(アペル)、COP(ゼオネックス)の特徴についてご紹介しました。超精密微細加工.comを運営するジュラロン工業株式会社では、COC(アペル)、COP(ゼオネックス)、PC(ポリカーボネート)、PEI (ウルテム)、PMMA(アクリペット 他)など、様々なプラスチックで、レンズを製作しております。また、その実績を活かし、材質の提案も行っております。樹脂の超精密加工でお困りの方はお気軽にご相談ください。

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