ナノ加工 技術コラム

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2024.11.19

アルミへナノレベルの超精密加工を行い、 反射率を向上させるための重要なポイント

金属などの表面を鏡面にすることで光を効率的に反射することが可能です。
その中でも入手、加工がしやすいアルミの超精密加工におけるポイントについて紹介いたします。

 

①ダイヤモンドバイトの使用

アルミにナノレベルの超精密加工を施す際には、一般的な刃物ではなく、ダイヤモンドバイトを使用する必要があります。
通常の工具は刃先が粗いため、ナノスケールの超精密加工には不向きです。

しかし、鉱物の中で最も硬度が高く、優れた耐摩耗性を持つだけでなく、刃先が非常に鋭利なダイヤモンドバイトを使用することで、
安定して超精密加工を行うことが可能となります。

>>なぜ、ナノレベルの超精密加工では ダイヤモンドバイトが使用されるのか?

 

②超精密切削加工機の使用

一般的な精密加工設備とは異なる専用の超精密加工設備が必要になります。
例として、超精密加工機では、分解能0.1~1nmの精度で加工を行うことで、ツールマークが細かくなるため、加工の粗さが向上します。
つまり、加工条件をいかに最適化しても、適切な超精密加工設備を使用しなければ、ナノレベルの超精密加工を達成することは困難であり、注意が必要です。

 

③5000番台を推奨

アルミと一口にいっても、様々な種類がありますが、超精密加工においては、5000番台のアルミが加工に適しています。
5000番台のアルミは、加工性に優れている上、非熱処理合金であることから、熱処理を必要とせずに高い強度を維持でき、
加工後も変形が少なく、精密な寸法を保つことが可能です。
そのため、高い反射率や光沢が求められる用途には最適といえます。

(5000番台が加工性と特性のバランスが最も取れていますが、1000番台や6000番台合金に超精密加工を行うことも可能です。)

 

④SiO2の保護膜による酸化の防止

次にアルミは酸化しやすいため、酸化を防ぐためにSiO2の保護膜を適用することが推奨されます。
アルミは酸素と非常に反応しやすく、空気に触れるだけで表面に薄い酸化被膜が形成されます。

この酸化被膜は、反射率を低下させる原因となるため、ミラー用途で使用する際には、SiO2の蒸着によって酸化を防ぎ、
性能を維持することができます。

 

⑤増反射膜の蒸着

そして最後のポイントは、アルミの反射率には限界があるという点です。

反射率は光の入射角や波長によって異なるため一概には言えませんが、アルミの可視光線領域での反射率はおよそ92%です。
もしこれ以上の反射率が必要な場合は、増反射膜を蒸着することで反射率を向上させることが可能です。

(当社では社内で超精密加工から酸化防止および増反射膜の蒸着まで対応可能です。)

>>アルミと銅に0.001mm単位の超精密加工を施すためには?

 

当社のアルミ超精密加工事例について紹介

トーリックアルミミラー

こちらのトーリックアルミミラーは、純アルミA1070を加工したものです。
この製品は、3軸同期加工により加工時間の短縮をしていることが特徴として挙げられます。
マシニング系の5軸で加工した場合、同等の鏡面を得るには350時間かかりますが、3軸同期により9時間で加工することが可能です。

>>詳しくはこちら

 

まとめ

今回はアルミに超精密加工を行い、広範囲な波長の光を効率的に反射するための重要なポイントポイントについてご紹介しました。

超精密 微細加工.comを運営するジュラロン工業では、最新の各種ナノ加工機に加えて、高度なナノ加工技術と加工プログラム技術で、
ナノオーダーの超精密加工のご要望にお応えすることが可能です。

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