ナノ加工 技術コラム

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2023.03.16

”真円度1μm以下”の超精密加工を 実現するための加工のポイント

超精密 微細加工.comを運営するジュラロン工業株式会社では、長年積み上げてきた豊富な超精密金型の加工ノウハウを用いて、ナノレベルの超精密加工を行っております。ワーク素材、サイズ、形状により細かな加工精度は異なりますが、ご要望いただければ”真円度1μm以下”の高度な要求を実現することができます。

当記事では、超精密加工品の製作を多数手掛けてきた当社の経験に基づいて、真円度1μm以下の超精密加工を実現するための5つのポイントをご紹介します。

 

ポイント①:超精密微細加工機を使用する

精密加工ができる旋盤加工機を用いて加工を行った場合、真円度:5μm程度です。また、研削加工を行ったとしても、真円度:1~2μm程度までとなります。つまり、真円度1μm以下の超精密加工な加工を施すためには、一般的な精密加工設備と全く異なる超精密な加工設備が必要となるのです。いかに加工条件を最適化できたとしても、適切な超精密加工設備でなければ、真円度1μm以下を実現することはできませんので、注意が必要です。

>>当社の設備概要はこちら

 

ポイント②:ワーク・治具の重量バランスを考慮する

真円度1μm以下の超精密加工を行うためには、加工時の振動をいかに抑え込むかが非常に重要です。当然のことながら、ワークや治具などの重量に少しでもバラつきがあると、振動が発生します。超精密加工においては、この重量のバラつきが、”0.01g”程度であっても大きく加工精度に影響が出ます。そのため、超精密加工では精密な測定器を用いて、ワーク・治具の重量バランスを調整し、振動の軽減を図る必要があります。

 

ポイント③:外部からの振動を遮断する

上述の通り、真円度1μm以下の超精密加工を行うためには、加工時の振動をいかに抑え込むかが非常に重要ですが、これは加工設備内だけの話ではありません。なんと、加工設備内だけでなく、設備・工場外部からの振動を抑え込むことも重要なのです。例えば、当社では、加工設備に専用ダンパーを取り付け、地面からの振動を遮断しています。さらに、版上WIB工法により、振動対策を施し建設された工場内で超精密加工にあたっています。

 

ポイント④:超精密加工に適した素材を選定する

真円度1μm以下の超精密加工を実現するためには、超精密加工に適した素材を選定することが重要です。どれだけ優れた設備・技術を持っていたとしても、超精密加工に適していない素材を使用すると真円度1μm以下の超精密加工は実現できません。参考として超精密加工が ”できる素材” 、”できない素材” を下記にてご紹介します。実際の素材選定に是非お役立てください。

加工できる材質・・・鉄(STAVAX等のSUS材)、アルミ、銅(無酸素銅)、樹脂(PMMA、COC、COP、PC、PEI 等)

加工できない材質・・・鉄(ハイス鋼、ダイス鋼 等)、超硬素材、ガラス、樹脂(PP、PE等の一般的なプラスチック)

(※ただし、Ni-Pめっきが可能な素材は除く)

 

ポイント⑤:切れ味の良い工具を選定する

真円度1μm以下の超精密加工を行うためには、一般的な工具は使用できず、特別なものが必要とされます。なぜなら、一般的な工具では、顕微鏡などで確認すると刃先がガタガタになっているので、どれだけ綺麗に加工したとしても真円度1μm以下は実現できないためです。そのため、超精密加工においては、刃先を鋭利に仕上げることができる材質、すなわちダイヤモンドバイトを選定する必要があります。ダイヤモンドバイトを使用した加工動画を下記にてご紹介します。是非ご確認ください。

>>なぜダイヤモンドでは鉄が削れないのか? 

 

当社の超精密加工事例をご紹介!

光ピックアップ用対物レンズ

こちらの金型は、Φ2~4mmのNi-Pめっき面に非球面を加工した対物レンズと呼ばれるPCのディスクドライブに搭載される信号読み取り用レンズの金型です。このレンズは、CDとDVDの異なる2つの波長に対応した2波長互換ということが特徴です。

>>詳しくはこちら

SUS系焼入れレンズ金型

こちらのレンズ金型は、Ni-Pめっき面ではなく、SUS系焼入れ材を形状精度PV0.1μm、Ra5nm以下に加工した、カメラ、VRグラス用レンズの金型です。従来焼入れ材は、切削による鏡面加工が困難なためポリッシュ(ミガキ)にて加工されていましたが、当社では振動切削という方式を用い、切削により高精度金型の製作を実現しています。

>>詳しくはこちら

 

”真円度1μm以下”の超精密加工なら当社にお任せください!

今回は、”真円度1μm”の超精密加工を実現するための加工のポイントについて詳しく説明しました。超精密 微細加工.comを運営するジュラロン工業では、最新の各種ナノ加工機に加えて、高度なナノ加工技術と加工プログラム技術で、ナノオーダーの超精密加工のご要望にお応えすることが可能です。また、当社では、お客様のご要望に応じて、加工時間削減・コストダウンのためのVA/VE提案もさせて頂きます。是非お気軽にご相談ください。

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